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私の留学レポート:タイ?マヒドン大学インターナショナルカレッジ~奥野 美優さん(3)~

国際教養大学では1年間の留学が必須となっています。語学留学ではありません。専門科目を現地の学生と共に履修し、本学での卒業単位の一部として認められる必要がある、「本気」の留学。学生が、それぞれ深めたい学問分野に応じて200以上ある海外提携大学の中から選択します。この「私の留学レポート」は、留学中の学生に、現地の様子や留学中の挑戦を、自分の言葉でレポートしてもらう企画です。

今回は、タイに留学した奥野 美優(おくの みゆう)さんのレポート最終回をご紹介します。

みなさんこんにちは!私の1回目、2回目のレポートを読んでくださっている方はお久しぶりです。2021年入学で、タイのマヒドン大学に留学しておりました奥野 美優(おくの みゆう)です。

早いもので私のタイでの1年間の留学期間も終了し、先日日本に帰国いたしました。帰国直前の12月まで半袖で過ごせる環境にいたところから急に冬の日本に帰ってきたため、寒さに徐々に慣れようと頑張っているところです(笑)今回はついにレポート最終回となります。最後までお読みいただけますと嬉しいです。

校舎と奥野 美優さんの写真
毎日通った校舎と1年着た制服です

一番印象に残った授業

マヒドン大学インターナショナルカレッジは3学期制で、毎学期履修登録をするため様々な科目を履修しましたが、その中でも中国語は3学期間取り続けたため思い入れが強い科目でした。

正規学生が履修すべき科目は通常専攻ごとに決まっているので、同じ専攻の学生同士と親しくなりやすいのですが、留学生である私は専攻以外のどの授業も履修できる反面、授業で仲良くなった友人がいても次の学期では接点が減ってしまう、ということがしばしばありました。一方で、言語の授業は専攻を問わないうえに次の学期にもレベルを上げて科目を履修し続けることができます。そのため、1年間同じ先生に受け持っていただくことができ、クラスメイトとも学期をまたいで同じクラスで授業を受けられるので非常に仲が深まりました。

クラスメイトは全員タイ人という環境で、日本語の通じない中で中国語を学ぶということに難しさも感じることもありました。しかし、中国語のクラスメイトも先生も私のことを気にかけて声をかけてくれたため、ホームグラウンドのように感じることができました。タイは中華圏ではないものの、中国人観光客も中国人学生もとても多い環境のため、中国語を耳にする機会は多く、中国語を勉強していたおかげで中国人の友人も多くできました。元々AIUで1年間中国語を勉強し、もっと勉強したいと思っていたため、留学先でも中国語を勉強し続けられたことは自分にとって非常に良かったです。

マヒドン大学は言語科目がレベル1からレベル11まで開講されており、言語の種類も中国語以外にスペイン語、フランス語、ドイツ語、日本語と幅広いため、言語を極めたい人にもおすすめできる留学先です。

中国語のクラスメイトとの写真
中国語のクラスメイトと(前列右から3番目 奥野 美優さん)

留学中にしたかったことを達成!

タイで過ごす最終学期は、やり残しがないよう、お祭りに参加したり旅行したりもしていました。タイでは旧暦12月の満月の日に「ロイクラトン」というお祭りがあり、このお祭りでは水の神様に感謝を伝えるためにろうそくを差した蓮の花を川に流します。私も大学のキャンパスで行われていたイベントに参加しました。

ロイクラトン祭りの写真
ロイクラトン祭りにて 蓮の花を水に流します

また、タイ北部ではこの時期にランタンを空に飛ばす「イーペン祭り」が行われます。留学当初から絶対行きたいと思っていたお祭りだったため、帰国前に行くことができて本当に嬉しかったです。空に昇っていくランタンと花火は想像以上に美しく、忘れられない思い出になりました。

空に昇っていくランタンと花火の写真
北部のイーペン祭り 息をのむ美しさでした

留学で成長できたこと

1年のタイ留学で成長できたことは主に3つあります。

1つ目は自分のビジョンを明確にできたことです。留学期間中は日本よりも自分で自由に使える時間が多く、その時間を生かしてこれまでできていなかった将来について考える時間を取ることができました。留学中に自分が何を大事にして生きていきたいのか見つけることができたため、帰国後の就職活動もスムーズに進められていると感じています。また、留学前に目標を立てたことと、日記帳を留学に持って行ったおかげで、自分が日々何を考えたのかを文章にして後々振り返ることができたのも良かったです。これから留学など大事な1年を過ごす方には目標設定と振り返るものを用意しておくことをお勧めします。

2つ目は自分の英語力に自信を持てるようになったことです。非英語圏に留学したとはいえ、まず頼れるものは自分の英語のみという環境の中で元気に生活できたことは自分への自信にもなりました。留学前は日本語話者ではない親しい友人はあまりいなかったため、英語でのコミュニケーションを通して親しくなり、互いの文化背景について話すことは非常に興味深く新鮮な体験でした。留学中東南アジアの他の国にも出掛けましたが、タイでの経験から英語でのコミュニケーションに自信を持てていたことで安心して旅行を楽しめました。また、他大学からの日本人留学生たちは日々英語で授業を受けるのがほぼ初めてなのに対し、私は3年目ということで、さほど授業の理解に苦しむこともなくAIUから留学するメリットも感じました。

3つ目は精神的にたくましくなったことです。自分で感じるだけでなく両親や友人に久々に会ったときにも言われたのですが、慣れない環境の中で一人暮らしすること、タイ社会に溶け込めるように必死でタイ語を覚えて使ったこと、外国人だからとなめられないようにタイ語で値切ろうとしたことなどを考えると、留学前の海外に不慣れな自分と比べるとかなり成長できたなと感じます。これから卒業したのちも大きく生活環境が変わることは何度もあるかと思いますが、「タイで元気に生活できたのだから大丈夫」と自信を持って生きていきたいです。

ミャンマー国境の村での奥野さんと友人の写真
ミャンマー国境の少数民族の村にも友人と遊びに行きました
タイの山からの風景
帰国前にはタイの山にも登りに行きました

私のこれから?これから留学する方へ

日本に帰ってきて1か月ほど経ちますが、逆カルチャーショックも今のところなく、驚くほど日本社会には違和感なくなじむことができました(笑)しかし日本で生きていく中でも、留学中に身につけた「外国人」としての視点は忘れずに持っていたいと思っています。タイでは英語もなかなか通じないような大変な環境の中での生活でしたが、その大変さが全く気にならないくらい優しいタイ人の方々と美味しいご飯に支えられていました。まずは残りの大学生活を秋田で頑張り、卒業前にもう一度タイに行きたいなと思っています。

ガパオライスの写真
最後まで大好きだったガパオライス

私がタイに留学することが決まった1年半前には、自分がこんなにもタイでの生活を恋しく思う日が来るとは思いませんでした。帰ってきた今でも、私は自信を持って「タイに行ってよかった」と思えています。留学先によって、行く人によって、成し得る経験は十人十色だと思います。私はいい留学だった、と思うためには自分がやったことを唯一無二のこととして自信を持つこと、そして「外国で元気に生きているだけで偉い!」というマインドセットを忘れないことが重要だと考えています。これから留学に行く後輩の皆さんには、この2点を大事にして素敵な留学をしてもらいたいです。

最後になりましたが、これまで私の留学レポートを読んでくださった皆さん、本当にありがとうございました。タイに行きたくなった方、ぜひ行ってみてください!

???????????? ?????????!!(ありがとうございます、さようなら!)

国際センターから一言

「私の留学レポート」の中で紹介したお写真と同様の、はじけるような笑顔で帰国報告をしに国際センターに立ち寄ってくださった奥野さん。アジアでは珍しい3学期制の大学に留学したので、長期休暇もあまりない中で時間を上手く使って、勉強に旅行にインターンシップにと盛りだくさんのタイ留学でしたね。奥野さんのレポートからも、直接お聞きしたお話からも留学生活の充実ぶりと奥野さんに備わった自信やたくましさが十分に伝わってきました。「外国人」としての視点を是非このAIUのキャンパスでも活かしてください。

英語版ウェブサイトでは、留学生たちの本学での留学体験記を「Student Voice」として紹介しています。ぜひこちらもご覧ください。