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発信力実践領域(GCP)

発信力実践領域(GCP)は、コミュニケーション分野のプロフェッショナルを養成することを目的とした領域で、企業や公的機関などにおける広報活動(パブリックリレーションズ)を担う専門家や、ジャーナリスト、メディアコンテンツを専門に作成できる人材を育成しています。

本領域では、広報学やデジタル広告、ジャーナリズム、組織コミュニケーション学などの実践的な授業を展開しています。そうした授業テーマのなかで、インタビュー技法や記事作成、リサーチ、ディベート、プレゼンテーションや交渉技術に至るまで様々なコミュニケーション技能を磨いていきます。

また、より広い視野から社会文化的な志向?視点を育み、グローバル化がますます進展していく世界で、国際的なマスメディアと政府や自治体などの公共機関、非政府組織、そして国境を越えて影響力を行使する多国籍企業などの相互の関係性を理解する力を養成します。

発信力実践領域で修得できる知識?技能等

  • 情報収集技能とリサーチ能力
  • 専門的な報道記事に適した記事の起草から取材?インタビュー、英文ライティング、編集に至るまでのメディアコンテンツ作成プロセスの理解と実践
  • 交渉術とディベート技法
  • 同時通訳、会議通訳の技能
  • 広報学の理解、広報や広告キャンペーン活動手法と実践
  • 広報や広告活動に関する倫理
  • メディアやジャーナリズムにおける基本倫理

領域の特色

特色1:専門職技能の修得

ディベートやリサーチ、通訳やプレゼンテーションなどの技能修得を行い、ビジネスの現場で有効な技能を養成します。

特色2:メディア?情報リテラシーの修得

社会における様々なコミュニケーション活動がSNSなどのインターネットプラットフォームを媒介としてなされるようになり、またマスメディア情報がデジタル化することで、様々な情報原のconvergence(収束)が生じています。プロのコミュニケーターにはそうした多元的な情報を自らの個人的ネットワークから取得する情報などと合わせて総合的に評価判断し、独自の見解を形成しながら、社会の言説形成に参加する技能が求められています。その基礎となるのが多種多様な情報に対する信頼性の評価と批判思考であり、その実力がコミュニケーションのプロフェッショナルとしての情報発信力を左右します。GCPでは、PRやメディアビジネスコミュニケーションなどの実践的なカリキュラム、更にはフィールドワークとリサーチが連結した実習(インターンシップ)を通じて、総合的な情報リテラシー能力を開発します。

領域代表からのメッセージ

GCPではメディアや広報、組織コミュニケーションなどの専門家を養成することをミッションとしています。特に異文化の狭間でそうしたプロフェッショナルな営為に従事することのできる人材を養成します。

例えばメディア?ジャーナリズムであれば、日本で生じている事象を英語で英語圏の人たちに向けて情報発信を行う活動です。広報の分野では、同じく日本企業が自社製品やサービスを海外市場に向けて展開をする際の広報?広告その他の情報戦略がそれに該当します。そこにおいては異文化や他言語が介在するため、言語の置き換えに限られない高度なコミュニケーション技術が求められます。即ち、日本の事物や社会現象を海外の人たちの興味を喚起しながら分かりやすく伝えるには、受け手側の文化的視点、視座に合致するような情報の枠組みやストーリーを組み立てなければなりません。近年変化が目まぐるしいインターネットやデジタル技術の革新がコミュニケーションに与えるインパクトは極めて大きく、当領域の授業内容の随所に反映されている一方で、コミュニケーションに普遍の原理や原則で、瞬時に習得が不可能な技能や知見を重要視しています。

GCPの教員はすべて各分野で文化を超えて活躍した経験をもつ実務家教員です。また、当領域に集まってくる学生たちの文化的、言語的また職業的なバックグラウンドも多様で、教員の多様性と合わせて豊かな教育環境を醸し出しています。構成員の多様性は相互に対するリスペクトと文化的な規律を生み出します。教員?学生の多様なコミュニティに参加することがコミュニケーションの素養そのものを鍛え、少人数で密度の高い授業、また授業と連携しながら実践の場を提供するインターンシップを通じて、未来の専門職のコミュニケーターを生み出して行きます。

谷川 幹 Miki TANIKAWA
発信力実践領域代表
准教授

修了生からのメッセージ

GCPで学んだことは様々な観点で私の視野を広げることに繋がりました。授業内容や教員の指導に柔軟性があり、学術的又は職業訓練の観点から私の興味関心とニーズに応えるものでした。その意味では自分が成長するためには十分な学習環境と生活サポートを提供してくれたと言えるでしょう。生活そのものが国際性を帯びているので、例えば授業の一つである「異文化コミュニケーション」で学んだことを日常的に実践できるのです。

2020年に卒業して以来、私は北海道大学の広報課で広報の仕事に従事しています。大学の研究活動をクリエイティブなライテイング手法を用いてネット上で紹介したりするなど、AIUで学んだ様々なスキルを今の職業で存分に発揮できていることに喜びを感じています。

Aprilia Agatha GUNAWAN(出身地:インドネシア)

2018年2月University of Indonesia 卒業
2018年9月国際教養大学専門職大学院 発信力実践領域入学
2020年3月発信力実践修士(専門職)取得
北海道大学 事務局広報課に勤務

在学生の声

GCPで私が最も惹かれているところは教育内容が絶えず変動する世界の政治や経済とリアルタイムで連結した内容になっていることです。カリキュラムの中身を例にするとデジタルマーケティングの授業でメタバースマーケティング(Metaverse Marketing)がテーマになっていることが挙げられます。また授業で学生たちは現実のビジネスの問題を解決するプロジェクトを設計?開発することを課題として与えられたりします。こういった課題は将来の職業で直面する問題を解決をする技能を養う基礎となるでしょう。GCPを選んだもう一つ大きな理由は「多様性」です。多様な文化背景を持った学生たちが国際的なコミュニティーを形成していて、一人ひとりの存在と「声」が尊重されています。グローバル化が進展し、国を超えた協力関係が必須となるなか、AIUでグローバルコミュニケーションの本質を習得することは生涯にわたって私の知的基礎となるでしょう。

Yu-Hua HSU(出身地:台湾/出身大学:National Taiwan University)

私は日本に長く在住していますが、GCPで学ぶことで、日本での職業機会やキャリアのポテンシャルに広がりを感じるようになりました。グローバルコミュニケーションの学びを通じて異文化理解の方法や協力関係を深めていくことに新たな熱意と取り組みを持つに至りました。きわめて多様な環境に身を置いて、知的な好奇心を探求すると同時に職業的な技能を身につけることに大きな充実感を得ています。将来はAIUで学んだことを活かして多文化な環境において構成員のウェルビーイングや一体感を促進する役割を担う仕事に就きたいと考えています。

Gretchen MIURA(出身地:アメリカ/出身大学:Santa Clara University)

修了生の主な就職先

  • Anheuser-Busch InBev Japan 
  • メルセデス?ベンツ日本
  • デロイト(コンサルティング部門、米本社)
  • 北海道大学
  • スズキ株式会社 
  • 秋田ケーブルテレビ
  • 毎日放送
  • ブルーカレント?ジャパン
  • キッコーマン
  • 井之上パブリックリレーションズ 
  • Weber Shandwick

修了生の主な職種

  • Social Media Manager
  • Digital Marketing Specialist
  • Content Marketing Specialist
  • Journalist/Media Writer
  • News Producer
  • Public Relations Practitioner
  • Public Policy Analyst
  • International Communications Consultant
  • Marketing and Communications Specialist
  • Community Relations Specialist
  • Communications Outreach Specialist
  • Translator
  • Interpreter